思い出の絵葉書ーデブレツェンから (1)

二月 古い中庭
アイスクリームかコーヒーを注文し、「中庭のあ る家」(ウドゥヴァールハーズ)のケーキ屋さんのテラスに座ってみませんか?
まわりにはブティック、ピザ店、土産物屋、本屋さんがあり、石畳の小広場の上にはこの町の象徴でもある歴史的な大教会の黄色い塔が、空へのびています。そう、あなたはいま町の中心にいるのです。
そこは同時に、僕の少年時代の舞台でもあります。四十年ほど前、ここには原っぱの中庭があり、兄や弟たちと春から秋にかけてサッカーをして遊び、冬には雪小屋をつくったり、バケツで水を運びスケートリンクをつくったりしました。春になると父と菜園の土を掘り起こし、そこで育ったトマトやパプリカをひと夏中食べました。
あなたが座っているちょうどその場所に、その昔、アカシヤの茂みに埋もれた古い豚小屋(その頃、もうすでに豚はいませんでしたが)が隠されていました。棘に覆われ苔むした、眠れる野薔薇姫のその城は、僕たち中庭の子どもたちにとって最高の遊び場でした。
でも、デブレツェンすべてがこれほど変わったわけではありません。「大森」公園のあたり、動物園や池、温泉浴場、プール、サッカースタジアムなどは、ほとんど僕の少年時代のまま。公園と森の間に建っていて、一歩足を踏み入れるといつも僕を特別な気持ちにさせてくれる大学の素敵な建物も昔のままです。
