思い出の絵葉書 (3)
四月 熊さん

子どもの頃、毎朝牛乳屋さんに行った。その店は棟続きの「中庭のある家」にあり、道を渡らなくても行けたので、両親は幼稚園生の時から僕をひとりで行かせてくれた。
列に並び、僕の番が来ると白い上っ張りを着た素敵な色の口紅をつけた店のおばさんが、持っていった容器に新鮮な牛乳を入れてくれる。家族みんなの朝食として、三日月型のパンと三角形のチーズ一箱も買った。
このチーズのブランドのひとつは、今でもハンガリーで買うことができる。シールに描かれているマツコウ「熊さん」は、蝶ネクタイをしてタキシードを着たウェイターだ。真面目な遊び心。なぜか僕の子供時代を彷佛とさせる。何十年も経ち、世界の反対側に住んでいる今でも、国に帰ると必ずマツコウ・チーズ買ってしまう自分に気づく。僕はこのシールをどうしても捨てられない。いつも持ち歩き、時々、熊さんの絵を描いたりしている。絵の中によくわらべうたを入れたりもする。
こんなふうに、マツコウ・チーズの絵を僕は描きはじめた。そのイメージと体験を日本語に訳しはじめた。

子どもの頃、毎朝牛乳屋さんに行った。その店は棟続きの「中庭のある家」にあり、道を渡らなくても行けたので、両親は幼稚園生の時から僕をひとりで行かせてくれた。
列に並び、僕の番が来ると白い上っ張りを着た素敵な色の口紅をつけた店のおばさんが、持っていった容器に新鮮な牛乳を入れてくれる。家族みんなの朝食として、三日月型のパンと三角形のチーズ一箱も買った。
このチーズのブランドのひとつは、今でもハンガリーで買うことができる。シールに描かれているマツコウ「熊さん」は、蝶ネクタイをしてタキシードを着たウェイターだ。真面目な遊び心。なぜか僕の子供時代を彷佛とさせる。何十年も経ち、世界の反対側に住んでいる今でも、国に帰ると必ずマツコウ・チーズ買ってしまう自分に気づく。僕はこのシールをどうしても捨てられない。いつも持ち歩き、時々、熊さんの絵を描いたりしている。絵の中によくわらべうたを入れたりもする。
こんなふうに、マツコウ・チーズの絵を僕は描きはじめた。そのイメージと体験を日本語に訳しはじめた。
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