2001-03-14

思い出の絵葉書 (7)

八月   プレーリの端っこ


 珍しい小鳥が町の真ん中にある僕たちの庭に飛び降りてきた。小鳥はとても疲れていて、僕の兄がつかめるほどだった。鳥類図鑑で調べて、名前もわかった、チョウゲンポウだ。兄は生まれつき動物や植物が大好きで、二人とも大人になったら、森の中で忠実な犬とともに暮らすことを夢見ていた。でも、僕は将来都会に住むようになるだろう、といつか感じ始めるようになった。
 小鳥がどこから来たかはわからないままだった。靴箱に穴をいくつか開けて、小鳥を中に入れ、すぐに路面電車に乗って、小鳥にふさわしい場所、動物園に連れていってあげた。お礼に、動物園にそのまま入っていいよと言われ、僕たちは鷲や、猿や、虎や黒ヒョウを急いで見た。園が閉まる一時間前ではなく、朝から来ていたらよかったのに。
 それからも時々、僕たちは庭にきてくれたお客様、チョウゲンポウのところへ遊びに行った。
 僕の一番好きな動物、アメリカバイソンは切符を買わなくても見ることができた、バイソンの小屋は動物園の塀のとなりにあったから。森と墓地へ続く静かなポプラ並木を自転車にのって通る時、僕はよく小屋の横に立ち止まりバイソンを眺めた。
 そうだよね、君はここに追放されてきたんだよね、遠い、遠いハンガリーのプレーリの端っこへ。自分の群れと一緒に走ることもできず、若草を食べることもできず、刈り取られた草の一人前しかもらえないで。
 バイソンは、哀れな頭を振って決められた道を歩き、力強い額を緑色の鉄の塀にこすりつけ、バイソン邸内のハンガリー大平原の砂土をどしんどしんと踏みつける。